周術期肺塞栓症は一旦発症すると20%前後の死亡率があり,術後合併症として病院全体として取り組む必要があります.わが国では予防ガイドラインが2004年に作成されました.その後予防的抗凝固薬が新たに保険認可され,欧米と同じ抗凝固薬が使用できるようになりました.つまり,わが国のガイドラインに記載されていない抗凝固薬の使用が認められているという,予防ガイドラインと臨床現場とのギャップがあるのが現状です.このような状況のもとでの予防法への取り組みについて成功の秘訣や難渋している事項について解決策を討論したいと考えています.