NDP(National Demonstration Project on TQM for Health=「医療のTQM実証プロジェクト 」) は、病院と品質管理専門家の緊密な協力により、病院医療での患者本位の質を確立し 継続的に向上させるための質保証システムと、組織的質管理のありかたのモデルを構築す ることを目指すボランティア・プロジェクトです。
このNDPという呼称は、米国の有力病院21機関が米国の有力企業の品質管理専門家の協力 のもと、品質管理の考え方と手法を医療サービスの質の向上にはじめて適用しようと試み た時に、この意欲的で革新的なプロジェクトをNational Demonstration Project(略称 NDP)と呼んだことにちなんでいます。米国ではNDPを契機にして医療の質に対する考え 方が大きな転換を遂げ、改善や総合的質管理(TQM: Total Quality Management)の理念や方 法論が医療界に次第に浸透し、やがて世界の医療界へと広がりました。
しかし、日本ではこれまではQCサークル活動が中心で、臨床的な質の改善の取組みがま だ比較的少なく、トップのリーダーシップのもとで部門や職種を越えて質の確保と改善を めざす全病院的な取組み(総合的質管理=以下TQMと略します)は参考となるモデルが未 確立です。NDPは、そのようなモデルを目に見える形で示すことを目的にしています。 日本でのNDPは2000(平成12)年に、飯塚悦功先生(当時、東京大学大学院工学系研究科 化学システム工学教授)、上原鳴夫先生(当時、東北大学大学院社会医学講座国際保健学 分野教授)らによって始められました。その後、「医療安全全国共同行動」が2008(平成 20)年5 月17 日に始まり、NDPは現在休止しています。
NDPが作成した資料はNDPのHPに掲載されており、一部は医療安全全国共同行動の支援 ツールとして使用されておりますが、そのほかの資料も引き続き利用していただくために 、このたびNDPの関連資料を医療安全全国共同行動に移管しました。今後とも参加登録施 設をはじめ皆さまに広くご活用いただければと存じます。
*「NDP (National Demonstration Project on TQM for Health」
http://www.ndpjapan.org/