一般社団法人日本慢性期医療協会 急性期連携委員会副委員長 飯田達能
日本慢性期医療協会では800病院ほどの慢性期医療を担う全国の医療機関が会員です。その会員病院に対してポスターやチラシを配布し参加協力を呼びかけています。
急性期病院へのDPCの導入、平均在院日数の短縮などから、転院をスムーズに進める中、慢性期医療を担う療養型病院の入院患者は重度化してきております。そのため当協会では、慢性期医療の質向上を目的に慢性期医療に特徴のある脳血管疾患、認知症、褥瘡、感染症などの治療、栄養療法、輸液療法、薬物療法、リハビリテーション、外科的処置、口腔ケア、終末期医療、身体抑制の廃止など80分24単位に及ぶ認定講座を6日間行い、これを年間2〜3回開催しています。参加者は毎回200名ほどの医師や看護師です。院長・理事長も含まれています。
この認定講座の医療安全の内容の講座では、医療安全の歴史、概念の変化、医療事故の統計、実際の医療事故の内容やその対応、対策までの経緯、手法(RCA)を示し、KYTを数例、各小グループに分かれて検討する流れで行ってきております。その講座の中で「医療安全全国共同行動」を周知させていただいております。実際に病棟で勤務されている医師や看護師に、経管栄養管理の仕方について聞いてみると、試験紙を利用しているところは少ない状況でした。胃内容液の逆流が確認できないときには、レントゲン確認できるまでは経管栄養を行わず、それまで補液管理していると答えられる方が多いようでした。また、危険薬管理では、「医療安全全国共同行動」に参加されている病院の医師で、インスリン使用でスライディングスケールを院内統一化し、常勤内科医師数分あったスライディングスケールが簡素化し、間違いのリスクを軽減し、医師への問い合わせの件数も少なくなったとの話がありました。
今後とも同講座の中で、「医療安全全国共同行動」に参加されている職員のよかった点を聞くことにより、参加されていない病院の職員が参加したくなるようにと協力させていただきます。
・日本慢性期医療協会ホームページ http://jamcf.jp/
09/12/18