第1回 世界は今
― 米国;“500万人の命をまもろう”キャンペーン (5 Million Lives Campaign)
医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”の米国版、“500万人の命をまもろう”キャンペーン (5 Mキャンペーン)は、2年間におよぶキャンペーンのラストスパートに入っている。現在、3900以上の病院と推進拠点機関(Nodeと呼ぶ)の参加があり、当初目標である4000病院の参加まであと一息である。
全米各地で検討会や活動交流会が活発に行われている。IHI(米国医療の質改善研究所;Institute for Healthcare Improvement)が主催する電話会議は下記のページでスケジュールを確認でき、WebExというサービスを介してリアルタイムで試聴できる。
(http://www.ihi.org/IHI/Programs/Campaign/Campaign.htm?TabId=7)。
過去の電話会議の記録も試聴できる。電話会議のトピックは、キャンペーンが推奨する対策に関するものからキャンペーンの全般に関するものまでいろいろある。5月19日の“Campaign Live!”の記録では、いま世界で行われている医療安全キャンペーンについて聴くことができ、日本のキャンペーンが始まったことも紹介されている。
なお、現在、ブラジル、カナダ、デンマーク、日本、スコットランド、ウェールズで同様のキャンペーンが行われており、下記のリンク先から各国の医療安全キャンペーンのホームページを閲覧できる。
ブラジル http://www.iqg.com.br/
カナダ http://www.saferhealthcarenow.ca/
デンマーク http://www.operationlife.dk/English.aspx
スコットランド http://www.patientsafetyalliance.scot.nhs.uk/
ウェールズ http://www.quip.wales.nhs.uk/
IHIのホームページでは、成果を挙げている病院や施設をキャンペーン・チームが訪問したレポートがブログで紹介されており、各地の熱気が伝わってくる。
(http://www.ihi.org/IHI/Programs/Campaign/Campaign.htm?TabId=3)
米国で、世界で、医療安全の実現をめざす運動が着実に広がってきており、キャンペーンの目的の一つであるLearning Networkの構築が目に見える形になってきている。
「世界は今」のコラムでは、海外のキャンペーン・パートナーたちの取り組みを順次紹介する。日本の共同行動キャンペーンはまだ始まったばかりだが、各国の経験にも学びつつそれらに負けない大きな成果を挙げ、Learning Networkを通じて世界に発信できるようになりたいものである。