A.CVカテーテルの挿入手技は衛生レベルを手術室と同等にするのが基本的な考え方です。したがって、術中と同様に滅菌ガウンを装着します。カテーテルやガイドワイヤが長く、着衣で汚染することを避けるためです。これら一連の運用により、感染のリスクは35%〜1/4に減少することが多数報告されていますし、引用文献もCDCの血管内留置カテーテルのガイドラインに明記されています。
A. VAPの感染率を下げる方策として、ガイドラインでは数々の推奨事項があります。単独で実施するのではなく総合的な対策が求められます。特にIHI(米国医療保健改善協会)のケアバンドルでは以下の項目が挙げられていますので、ご参照ください。
※人工呼吸器ケアバンドル:一般に疾患過程を考慮して最善の療法をグループ化したもので、別々でも改善するが一緒にすると非常に大きな改善が可能である。
バンドルの各部分が人工呼吸器関連肺炎に対する標準療法として構成されていることが科学的に十分に立証されている。
人工呼吸器バンドルは主に4つのケアからなります。
1. ベッドの頭位置を30度から45度にする。
2. 毎日「鎮静の休止」を行い、抜管できる状態か毎日評価する。
3. 消化性潰瘍(PUD)を予防する。
4. (禁忌でない場合)深静脈血栓症(DVT)を予防する。
http://www.ihi.org/IHI/Topics/CriticalCare/IntensiveCare/Changes/ImplementtheVentilatorBundle.htm
A.隔離予防策は感染予防の対応における概念を記したものです。標準予防策全体の評価は膨大ですので、ポイントを絞り検討する必要があります。効果判定を行う具体的な方法として、手指衛生に関しては観察による評価等がありますし、針刺し切創予防策はサーベイランスの実施と評価が可能です。
手指衛生についてはJointCommisionの資料をご参照ください。
“Measuring Hand Hygiene Adherence: Overcoming the Challenges”
http://www.jointcommission.org/patientsafety/infectioncontrol/hh_monograph.htm
針刺し切創予防策についてはCDCのworkbookをご参照ください。
http://www5.wind.ne.jp/GUNRINGI/Kenkyuhan/kenkyuhan/biseibutu/siryou/BD/workbook.pdf
A.ビデオ配布、リンクナースやリンクドクター経由の部署毎の伝達講習会などがあります。また、研修終了者にシールを発行する、部署に研修終了者のシールを棒グラフ形式に掲示する、研修達成優良部署を表彰する、などの方法があります。
A.現在のところ、国内におけるエビデンスは充分ではありません。検査の義務化までにはいくつかの障壁を越える必要があります。
A.共同行動のチャレンジ項目は、共同行動HPの「8つの行動目標と推奨する対策」http://kyodokodo.jp/index_b.html、「支援ツール一覧」の目標別「ハウツーガイド」に明記されていますので、ダウンロードしてご参照ください。
09/11/16