設立呼びかけ団体からのメッセージ

日本医師会会長 中川 俊男
日本歯科医師会会長 堀 憲郎
日本看護協会会長 福井 トシ子
日本薬剤師会会長 山本 信夫
日本臨床工学技士会理事長 本間 崇
医療の質・安全学会理事長 松村 由美

(2021年9月現在)

医療安全全国共同行動の活動に寄せて

公益社団法人日本医師会は、2008(平成20)年の医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ ”発足当初より呼びかけ団体として、また、2013(平成25)年の法人設立においても改めて設立呼びかけ団体として、わが国の医療安全の向上、医療安全文化の醸成に向けて、他の多くの医療関係団体、組織の皆様とともに力を合わせております。
この間、2015(平成27)年には、いわゆる医療事故調査制度が創設され、医療現場はもとより、患者・国民の皆様の意識の中でも、医療の安全に対して大きな変化が起きているものと実感をいたしております。また、昨今では、新型コロナウィルス感染症への対応など、医療を取り巻く環境は年を追うごとにめまぐるしく変化をし、私たち医療関係者は、それぞれの局面において、難しい対応を迫られております。
しかし、医療を取り巻く環境が如何に変化しようとも、医療の提供に際して患者さんの安全を守ることは、いつの時代にも忽せにできない大前提であることは言うまでもありません。日本医師会は、平成9年に会内に医療安全対策委員会を設置し、これまでに幾多の報告書をはじめ、「医療従事者のための医療安全対策マニュアル」、「医療事故削減戦略システム~事例から学ぶ医療安全~」といった現場で活用可能な資材を制作するなど、常に医療安全の向上に向けて積極的な取り組みを進めております。
さらに医療事故調査制度への対応においては、日本医師会は都道府県医師会等との協力・連携のもと、各医療施設における院内調査の質を高めるための研修会・セミナーの開催とともに、医療事故調査等支援団体全体の活動を推進していくために、各地域および中央に「医療事故調査等支援団体連絡協議会」を設置し、運営の実務を担わせていただいています。
これらの医療安全に向けた活動の根幹には、医療関係者の一丸となった連携の姿勢と、医療界と患者・国民の皆様との深い信頼関係のいずれもが不可欠な要素であります。医療安全全国共同行動の取り組みは、まさにこれらの理念を体現するうえで、医療界が一体となった重要な意義をもつものと確信いたします。日本医師会は、今後とも医療安全全国共同行動の活動に積極的に参画をして参ります。(2021年3月)

歯科診療所における医療安全

hori一般社団法人となった医療安全全国共同行動の「医療に従事するすべての職種の人々、 病院、病院団体、専門職能団体、学会他さまざまな医療団体が、安全な医療を実現するた めに職場や立場を超え一丸となって医療安全対策の実施と普及に取り組む」という主旨に 、日本歯科医師会は全面的に賛同するとともに、これからもその活動に協力して参ります 。
歯科医療機関はその8~9割が診療所であることなどから、日本歯科医師会は、特に平成 25年に医療安全全国共同行動の中に立ち上げられた「診療所部会」に積極的に関わり、診 療所に求められる医療安全の議論に関わってまいりました。
また同年、日本歯科医師会の中に「歯科医療安全対策委員会WG」を立ち上げ歯科固有 の医療安全を進めるとともに、平成27年には10の行動目標と推奨する対策の歯科版を作成 したところです。
超高齢社会における疾病構造の変化、そして新しい医療技術の発達は、必ず新しい危機 管理を求めます。従って医療安全は「これで良い」というゴールは存在しません。医療人 としてこのことを常に意識し、国民の皆様に安心、安全な歯科医療を提供していくために 、一層の情報収集と研鑽に努め、積極的に内外に発信してまいります。
また地域包括ケアシステムの推進に見られる通り、地域に密着した医療政策の実現には 多職種連携は不可欠であり、他の職種の医療関係者の皆様とも連携してより高い医療安全 を実現したいと存じます。
医療安全全国共同行動の益々の充実をご祈念申し上げてご挨拶と致します。(2016年3月)

医療が提供されるあらゆる場において、患者安全の確保と推進を!

わが国の医療安全は、1999年以降に重大な医療事故が社会問題化したことを契機に、医療安全の土台となる法整備や、安全対策が講じられた製品の普及など、国をあげて様々な対策がとられ、医療安全が急ピッチで推進されてきました。
医療安全全国共同行動の、職種や専門分野を超えた様々な活動は、 わが国の医療安全推進に大きく貢献をしており、日本看護協会はその活動に全面的に賛同いたします。
現在、わが国の医療安全を取り巻く環境は、大きく変化しています。療養の場が医療機関から暮らしの場に移行する中では、医療機関だけでなく、在宅や介護施設等におけるさらなる医療安全の確保推進が重要となります。さらに、療養の場が移行する際に、安全上考慮しなければならない、さまざまな情報を確実に提供することなど、施設を超えた安全管理についても推進していくことが求められています。
医療機関の医療安全を確保・推進をする仕組みは構築され、更なる向上に向けた取組みへと発展していますが、在宅・介護分野領域の医療安全確保、また、施設を超えた医療安全を確保する仕組みつくりは、途上にあります。そのため、在宅・介護領域の医療安全確保は早急に取組んでいく必要があります。
本会でも、2025年を見据えて、2015年6月に『2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョン~いのち・くらし・尊厳を まもり支える看護』を公表しました。その中で、医療安全については、「医療・ケアを提供する最終実施者となる看護職は、安全な医療が提供されるよう、医療安全管理体制の推進にも主体的に関わる」とその使命を表明しています。この使命の実現にむけ、小規模医療機関や在宅、介護施設、訪問看護ステーションにおいても医療安全が確保できるよう様々な医療安全事業を展開しているところです。
多くの職種や関係機関が連携しケアを実践すること、それぞれの職種の専門性を発揮することが医療機関でも地域でも重要です。この共同行動が、組織や職種の枠を超えて、協働した活動になることを期待します。(2018年5月)

医療安全全国共同行動に寄せて

yamamoto医療安全全国共同行動が設立された趣旨は、日本の医療を支える全国の医療機関、医療従事者、そして医療関係団体等の関係者が、職種や専門分野を超えて連携し、協働して患者さんの安全を守り、医療従事者が安心して治療に専念し、患者さんは安心して適切な治療を享受できる医療環境をつくっていこうということと認識しております。日本薬剤師会も、この行動目標に賛同し「医療安全全国共同行動」の呼び掛け団体として参加してまいりました。
医療関係者による医療事故防止のための努力は、未だ国民の不安を完全に払拭するには十分とは言えない状況です。こうした中、医療を支えるさまざまな学会、団体の呼び掛けで発足した「医療安全全国共同行動」では、全国の病院と医療従事者、病院団体、各種医療関係団体が行動目標を共有することによって、医療の質・安全の向上を目指す取り組みが進められております。
私ども日本薬剤師会においても、医療機関に勤務する薬剤師の医療安全に関する行動と同様に、地域における医療提供体制の中で、医薬品や医療・衛生材料を提供する薬局の医療安全管理のための「指針」や「マニュアル」を作成し、医薬品の適正使用を通じた医療安全の確保を目指しその推進に努めております。そのためには、調剤事故を未然に防止するための情報を収集・分析し、それらを共有化し、薬局・医療機関での具体的な対策に繋げていくことが有効であると考え、その活用を図っているところであります。
また、一般用医薬品を含む医薬品の供給では、地域住民の医薬品使用の安全性確保には、薬剤師の対面による情報提供が必須であると確信しておりますが、例えば一般用医薬品のインターネット販売等に代表されるように、ややもすれば医療を単なるビジネスと捉え、安全よりも経済性を優先する傾向が懸念されるところです。
こういった時こそ医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”を通じて患者さんや地域住民と医療者がともに安心して治療に専念できる環境づくりが不可欠なことと考えております。日本薬剤師会も皆様とともに、「医療安全全国共同行動」の更なる深化発展に努めてまいる所存です。(2016年4月)

共同行動への期待と当会の抱負

公益社団法人日本臨床工学技士会は、1990年2月に任意団体として設立して以来、各種の生命維持管理装置の操作と安全管理を担う専門職の団体として、医療機器に支えられた高度先進医療を安心して受けられる体制づくりと医療資源の有効活用に日夜努力を重ねています。その社会的使命の達成に向け、2002年3月14日に「社団法人」として厚生労働省から認可を受け、その後、約10年の事業活動の成果を認められ、2012年4月1日に「公益社団法人」として内閣府から認可を受けました。2007年の第5次医療法改正により国民に良質な医療を提供するという目的で、共同行動で取り上げているシリンジポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器はもとより、医療機関で使用する医療機器の安全管理における基本となる運用事項が法律で規定されました。その主な事項は(1)医療機器安全管理責任者の設置、(2)医療機器の保守点検計画の策定と適切な実施、(3)従事者に対する安全使用のための研修の実施、(4)安全使用のために必要となる情報収集、医療機器の安全確保を目的とした改善のための方策の実施、とされています。

医療安全全国共同行動への参画と期待 
当会は、医療機器の安全管理を推進するために、2008年5月の医療安全全国共同行動のキックオフ・フォーラムに参画し、行動目標5の技術支援部会メンバーとして関連学会並びに医療機関の皆様とともに輸液ポンプ、シリンジポンプ、人工呼吸器の安全管理の推奨対策を推進してきました。共同行動のホームページでは、医療機器に係る医療事故の発生要因に対する関連学会・団体や行政から示されたマニュアルやガイドラインを基に作成した行動目標達成のための推奨対策とハウツーガイドやツールボックスを掲載しております。また、2007年の医療機器安全管理に関する法律施行の運用事項について「医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施に関する指針」を策定し、この指針を基に作成した「輸液ポンプ・人工呼吸器の日常点検・定期点検実施マニュアル」を共同行動ホームページに掲載しています。法律施行から11年を経て現在も、臨床工学技士が在籍しない多くの施設においては、医療機器に関する教育や適切な使用・保守管理を行うことが難しい現状も散見され、また、医療機器に関連する感染、薬剤も含めた総合的見地に立った医療安全を推進するために、この指針と共に、新たに「医療機器安全管理指針」、「医療機器安全管理指針Ⅱ(研修)」、「医療機器を介した感染予防のための指針」、「医薬品等の調整使用管理指針」、「医療ガス及び電波利用に関する指針」などの指針を刊行し、同時にホームページへの公開を行い広く医療安全への活用を図っております。これら指針についても共同行動の安全対策に活かしていきたいと考えております。ご活用いただければと思います。
「一般社団法人医療安全全国共同行動」が新たなステージへ向かうにあたり、今後も当会の医療安全対策事業として、職種や立場の壁を超えて、医療を担う病院や診療所とそれを支える団体・学会・行政・地域社会が一致協力して医療事故防止に取り組む「医療安全全国共同行動」の趣旨に賛同し、社員団体として共同行動を支えてまいります。また、私たちの使命である医療機器の安全対策をより力強く推進するため関連団体の皆様並びに全国の臨床工学技士会と一致協力し、より多くの医療機関に対し共同行動への参加を呼びかけてまいります。(2018年3月)

患者安全の継続的取り組みを協力態勢で

療の質・安全学会は、2005年に設立された学術団体です。3千数百名の会員は、職種も専門領域も多種多様であり、また、医療者のみならず非医療者も会員として活動しています。研究者や市民の参加も得ています。このような学術団体は、他にはあまり例がありません。私たちが一緒に活動できるのは、共通の目標をもっているからであり、その目標とは、「患者安全(patient safety)」です。
人は誰でも、いくら健康であっても、一生の間に例外なく医療行為を受けます。そのため、安全な医療を提供することは、あらゆる人にとって利益になります。看護ケア、給食の配膳、事務部門の業務、病院の清掃等の日常的な行為から侵襲の大きな医療行為に至るまでの全ての行為が医療における大切な要素です。医療の質・安全学会では、現状の医療における課題を見つけ出し、分析し、改善のアプローチを探る活動を行っています。医療を提供する側と受ける側との相互の交流・理解を目指した活動や医療以外の領域から学ぶ試みもなされています。
医療安全全国共同行動は、医療の質・安全学会にとって兄弟姉妹といえる存在で、より具体的な目標を持って、2008年に設立されました。その目標とは、「医療行為に関わる有害事象と有害事象に起因する死亡を低減する」ということです。医療の質・安全学会の活動を通じて、有害事象や有害事象に起因する死亡を低減するための技術やシステムが分かっても、それが直ちにその低減にはつながりません。現実の医療に実装させ、広める活動が必要であり、そのために医療安全全国共同行動が存在します。「当たり前のことを継続して行うこと」は、簡単なようにみえて、実はもっとも難しいことかもしれません。医療の質・安全学会は今後とも、「堅実」で「しっかり者の」兄弟姉妹である医療安全全国共同行動と協力して、患者安全の取り組みを続けてまいります。(2021年9月)

 

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