設立呼びかけ団体からのメッセージ

日本医師会会長 横倉 義武
日本歯科医師会会長 堀 憲郎
日本看護協会会長 福井 トシ子
日本薬剤師会会長 山本 信夫
日本臨床工学技士会理事長 本間 崇
医療の質・安全学会理事長 高久 史麿

(2018年4月現在)

一般社団法人医療安全全国共同行動の設立に当たって

yokokuraこのたびは一般社団法人医療安全全国共同行動の設立おめでとうございます。日本医師会はこれまで呼びかけ団体として医療安全全国共同行動の活動に参画してまいりましたが、このたびの法人化に際しては、改めてこの活動に賛同するものであります。今後、法人設立により、この活動が組織基盤を強化して、病院から診療所まで安全対策の一層の普及推進に取り組みの運動が発展することを大いに期待しております。
さて、日本医師会は本年4月から公益社団法人に移行致しました。これまでにも増して、「国民医療体制の確立」「安全な医療提供の推進」「保健活動を通じた国民の健康確保」「会員医療機関の経営の安定化」等を目的とした、公益的活動を深化させ、国民と共に歩む専門家集団として、国民に求められる保健・医療・福祉の実現に向けて努力していく決意を示したところでございます。
また、世界に類を見ない高齢化に対応すべく、地域医療の再興が喫緊の課題だと考えております。 これらの中で、安全な医療提供の推進は、共同行動の趣旨にもありますように「医療機関、医療従事者が職種や専門分野を超えて連携、協力」していくことが不可欠であります。それぞれの立場から、安心してケアに専念できる環境をつくるために、共に協力し合って頑張っていくことに、この共同行動の大切な意味が込められていると考えます。
これまで各地の医師会でも共同行動の地域フォーラムが行われてきました。しかし、医療安全に終わりはありません。合言葉「変わろう、変えよう」をもとに、これからも共に手を合わせて医療安全を推進し、ともに力を合わせていくことができるよう祈念してご挨拶といたします。

歯科診療所における医療安全

hori一般社団法人となった医療安全全国共同行動の「医療に従事するすべての職種の人々、 病院、病院団体、専門職能団体、学会他さまざまな医療団体が、安全な医療を実現するた めに職場や立場を超え一丸となって医療安全対策の実施と普及に取り組む」という主旨に 、日本歯科医師会は全面的に賛同するとともに、これからもその活動に協力して参ります 。
歯科医療機関はその8~9割が診療所であることなどから、日本歯科医師会は、特に平成 25年に医療安全全国共同行動の中に立ち上げられた「診療所部会」に積極的に関わり、診 療所に求められる医療安全の議論に関わってまいりました。
また同年、日本歯科医師会の中に「歯科医療安全対策委員会WG」を立ち上げ歯科固有 の医療安全を進めるとともに、平成27年には10の行動目標と推奨する対策の歯科版を作成 したところです。
超高齢社会における疾病構造の変化、そして新しい医療技術の発達は、必ず新しい危機 管理を求めます。従って医療安全は「これで良い」というゴールは存在しません。医療人 としてこのことを常に意識し、国民の皆様に安心、安全な歯科医療を提供していくために 、一層の情報収集と研鑽に努め、積極的に内外に発信してまいります。
また地域包括ケアシステムの推進に見られる通り、地域に密着した医療政策の実現には 多職種連携は不可欠であり、他の職種の医療関係者の皆様とも連携してより高い医療安全 を実現したいと存じます。
医療安全全国共同行動の益々の充実をご祈念申し上げてご挨拶と致します。

医療が提供されるあらゆる場において、患者安全の確保と推進を!

わが国の医療安全は、1999年以降に重大な医療事故が社会問題化したことを契機に、医療安全の土台となる法整備や、安全対策が講じられた製品の普及など、国をあげて様々な対策がとられ、医療安全が急ピッチで推進されてきました。
医療安全全国共同行動の、職種や専門分野を超えた様々な活動は、 わが国の医療安全推進に大きく貢献をしており、日本看護協会はその活動に全面的に賛同いたします。
現在、わが国の医療安全を取り巻く環境は、大きく変化しています。療養の場が医療機関から暮らしの場に移行する中では、医療機関だけでなく、在宅や介護施設等におけるさらなる医療安全の確保推進が重要となります。さらに、療養の場が移行する際に、安全上考慮しなければならない、さまざまな情報を確実に提供することなど、施設を超えた安全管理についても推進していくことが求められています。
医療機関の医療安全を確保・推進をする仕組みは構築され、更なる向上に向けた取組みへと発展していますが、在宅・介護分野領域の医療安全確保、また、施設を超えた医療安全を確保する仕組みつくりは、途上にあります。そのため、在宅・介護領域の医療安全確保は早急に取組んでいく必要があります。
本会でも、2025年を見据えて、2015年6月に『2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョン~いのち・くらし・尊厳を まもり支える看護』を公表しました。その中で、医療安全については、「医療・ケアを提供する最終実施者となる看護職は、安全な医療が提供されるよう、医療安全管理体制の推進にも主体的に関わる」とその使命を表明しています。この使命の実現にむけ、小規模医療機関や在宅、介護施設、訪問看護ステーションにおいても医療安全が確保できるよう様々な医療安全事業を展開しているところです。
多くの職種や関係機関が連携しケアを実践すること、それぞれの職種の専門性を発揮することが医療機関でも地域でも重要です。この共同行動が、組織や職種の枠を超えて、協働した活動になることを期待します。

医療安全全国共同行動に寄せて

yamamoto医療安全全国共同行動が設立された趣旨は、日本の医療を支える全国の医療機関、医療従事者、そして医療関係団体等の関係者が、職種や専門分野を超えて連携し、協働して患者さんの安全を守り、医療従事者が安心して治療に専念し、患者さんは安心して適切な治療を享受できる医療環境をつくっていこうということと認識しております。日本薬剤師会も、この行動目標に賛同し「医療安全全国共同行動」の呼び掛け団体として参加してまいりました。
医療関係者による医療事故防止のための努力は、未だ国民の不安を完全に払拭するには十分とは言えない状況です。こうした中、医療を支えるさまざまな学会、団体の呼び掛けで発足した「医療安全全国共同行動」では、全国の病院と医療従事者、病院団体、各種医療関係団体が行動目標を共有することによって、医療の質・安全の向上を目指す取り組みが進められております。
私ども日本薬剤師会においても、医療機関に勤務する薬剤師の医療安全に関する行動と同様に、地域における医療提供体制の中で、医薬品や医療・衛生材料を提供する薬局の医療安全管理のための「指針」や「マニュアル」を作成し、医薬品の適正使用を通じた医療安全の確保を目指しその推進に努めております。そのためには、調剤事故を未然に防止するための情報を収集・分析し、それらを共有化し、薬局・医療機関での具体的な対策に繋げていくことが有効であると考え、その活用を図っているところであります。
また、一般用医薬品を含む医薬品の供給では、地域住民の医薬品使用の安全性確保には、薬剤師の対面による情報提供が必須であると確信しておりますが、例えば一般用医薬品のインターネット販売等に代表されるように、ややもすれば医療を単なるビジネスと捉え、安全よりも経済性を優先する傾向が懸念されるところです。
こういった時こそ医療安全全国共同行動“いのちをまもるパートナーズ”を通じて患者さんや地域住民と医療者がともに安心して治療に専念できる環境づくりが不可欠なことと考えております。日本薬剤師会も皆様とともに、「医療安全全国共同行動」の更なる深化発展に努めてまいる所存です。

共同行動への期待と当会の抱負

公益社団法人日本臨床工学技士会は、1990年2月に任意団体として設立して以来、各種の生命維持管理装置の操作と安全管理を担う専門職の団体として、医療機器に支えられた高度先進医療を安心して受けられる体制づくりと医療資源の有効活用に日夜努力を重ねています。その社会的使命の達成に向け、2002年3月14日に「社団法人」として厚生労働省から認可を受け、その後、約10年の事業活動の成果を認められ、2012年4月1日に「公益社団法人」として内閣府から認可を受けました。2007年の第5次医療法改正により国民に良質な医療を提供するという目的で、共同行動で取り上げているシリンジポンプ、輸液ポンプ、人工呼吸器はもとより、医療機関で使用する医療機器の安全管理における基本となる運用事項が法律で規定されました。その主な事項は(1)医療機器安全管理責任者の設置、(2)医療機器の保守点検計画の策定と適切な実施、(3)従事者に対する安全使用のための研修の実施、(4)安全使用のために必要となる情報収集、医療機器の安全確保を目的とした改善のための方策の実施、とされています。

医療安全全国共同行動への参画と期待 
当会は、医療機器の安全管理を推進するために、2008年5月の医療安全全国共同行動のキックオフ・フォーラムに参画し、行動目標5の技術支援部会メンバーとして関連学会並びに医療機関の皆様とともに輸液ポンプ、シリンジポンプ、人工呼吸器の安全管理の推奨対策を推進してきました。共同行動のホームページでは、医療機器に係る医療事故の発生要因に対する関連学会・団体や行政から示されたマニュアルやガイドラインを基に作成した行動目標達成のための推奨対策とハウツーガイドやツールボックスを掲載しております。また、2007年の医療機器安全管理に関する法律施行の運用事項について「医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施に関する指針」を策定し、この指針を基に作成した「輸液ポンプ・人工呼吸器の日常点検・定期点検実施マニュアル」を共同行動ホームページに掲載しています。法律施行から11年を経て現在も、臨床工学技士が在籍しない多くの施設においては、医療機器に関する教育や適切な使用・保守管理を行うことが難しい現状も散見され、また、医療機器に関連する感染、薬剤も含めた総合的見地に立った医療安全を推進するために、この指針と共に、新たに「医療機器安全管理指針」、「医療機器安全管理指針Ⅱ(研修)」、「医療機器を介した感染予防のための指針」、「医薬品等の調整使用管理指針」、「医療ガス及び電波利用に関する指針」などの指針を刊行し、同時にホームページへの公開を行い広く医療安全への活用を図っております。これら指針についても共同行動の安全対策に活かしていきたいと考えております。ご活用いただければと思います。
「一般社団法人医療安全全国共同行動」が新たなステージへ向かうにあたり、今後も当会の医療安全対策事業として、職種や立場の壁を超えて、医療を担う病院や診療所とそれを支える団体・学会・行政・地域社会が一致協力して医療事故防止に取り組む「医療安全全国共同行動」の趣旨に賛同し、社員団体として共同行動を支えてまいります。また、私たちの使命である医療機器の安全対策をより力強く推進するため関連団体の皆様並びに全国の臨床工学技士会と一致協力し、より多くの医療機関に対し共同行動への参加を呼びかけてまいります。

一般社団法人医療安全全国共同行動の設立に当たって

takaku医療の質・安全学会は、医療がより安全に行われ、患者本位の質の実現することを目的とした21世紀にふさわしい新しい医療システムの構築を目指して、実践的、学際的な研究を推進する学術団体として2005年11月に設立されました。医療安全全国共同行動は、第2回学術集会の特別シンポジウムで、のちの呼びかけ団体が共同で提唱したのがきっかけという経緯もあり、共同行動特別委員会を設置して技術支援部会を中心に積極的に関わってきました。また、優れた実践活動を表彰する「ベストプラクティス」賞、患者・地域社会・医療機関の協力による意欲的な活動を顕彰する「新しい医療のかたち」賞、安全な環境づくりを援ける「安全を支える技術開発」特別展、医療安全管理者ネットワーク、研修事業、事例検討委員会等の学会事業を通じても、9目標の実現に貢献したいと願っています。
1999年以降、日本は事故発生時の適切な対応と教訓化を主眼とするリスクマネジメント・プログラムの確立に取り組み、次第に浸透してまいりました。その一方で、事故を未然に防ぐことで患者の安全をまもる事前防止の取り組み(“Patient Safety”)はまだ緒に就いたばかりです。医療技術革新が急速に進む現代では医療事故や有害事象は「まれなこと」ではなくなっており、これらを低減するには、医療技術の変化に対応した、安全を重視するシステムの改善や改革が必要です。現在の医療は多くの職種と専門知識と複雑化したプロセスとモノとしくみで成り立っており、医療が「変わる」ためにはこれらの協調と連携が不可欠で、いろんな立場の人々がそれぞれの立場で役割を果たす必要があります。このたび一般社団法人医療安全全国共同行動が設立されたことで、これらの協調連携が一層促進されるものと期待しています。本学会は医療の質・安全管理にかかる専門性を活かしてその触媒役を果たすことができれば幸いに存じますとともに、医療事故と有害事象の削減に向けてより効果的な取り組みやしくみのあり方を不断に追及し検証して、共同行動に提案していきたいと考えています。ぜひ多くの団体と医療機関にご参加いただきますよう祈念しています。

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