医療安全全国共同行動 全国フォーラム(第3回)が終了いたしました。
多数のご参加、まことにありがとうございました。
日時:平成21年11月23日(月・祝)
会場:東京ビッグサイト会議棟
主催:医療安全全国共同行動
後援:厚生労働省、全国知事会
ポスター(1.0MB)
全体フォーラム「安全な医療をめざして」 9:15~12:00
- 開会の辞 高久史麿(医療安全全国共同行動推進会議 議長)
- 地域フォーラムの報告 地域推進拠点代表(静岡県、東北地域、栃木県、神奈川県
- 8つの医療安全目標を達成するために 技術部会支援チーム
- 応援メッセージと音楽の贈り物 川江美奈子(ピアノ弾き語り)
- 特別講演 「欧州におけるPaitent Safety(患者安全)の取組み」(同時通訳あり)
ギュンター・ヨーニッツ氏(ベルリン医師自治機構会長/ドイツ連邦医師会質保証委員長) - 共同行動のこれまでとこれから 上原鳴夫(医療安全全国共同行動企画委員長)
- 総括の辞 小山信彌(日本病院団体協議会 議長)
ワークショップ(目標別分科会) 13:00~17:00
目標1:危険薬の誤投与防止
目的:行動目標1の成功事例の発表とディスカッションを通して、危険薬の誤投与防止のための対策をうまく進めるにはどうすればよいのかについて情報交換を行う。
概要:行動目標1の「危険薬の安全管理」の概要を説明し、その後、行動目標1に取り組んでいる施設より対策1~4の成功事例を発表していただきます。その後、発表者、アドバイザー、受講者を交えて困っていることや工夫点、最近のトピックなどについて、ディスカッションいたします。
対策1 危険薬の啓発と危険薬リストの作成・周知
対策2 高濃度カリウム塩注射剤、高張塩化ナトリウム注射剤の病棟保管の廃止
対策3 類似薬の警告と区分保管
対策4 注射指示の標準化
アドバイザー
我妻 恭行 (東北大学病院医療安全推進室 副室長)
高橋 英夫 (名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学 准教授)
矢野 真 (武蔵野赤十字病院 呼吸器外科部長)
齋藤 泰紀 (国立病院機構仙台医療センター 統括診療部長)
菅野 隆彦 (小清水赤十字病院 内科副部長)
新岡 丈典 (弘前大学医学部附属病院医療安全推進室 専任GRM)
病院の事例発表
1)『推奨対策1への取り組み-危険薬のABC-』
清水靖 (新潟県立六日町病院薬剤部 副部長)
2)『推奨対策2への取り組み「高濃度カリウム塩注射液等の病棟保管廃止から5年経過して』
神山真由美 (宇都宮社会保険病院薬剤部 副部長)
3)『推奨対策3への取り組み』
菊池邦子 (国立国際医療センター戸山医療安全管理室 医療安全管理者)
4)『推奨対策4への取り組み』
芝裕美子 (武蔵野赤十字病院薬剤部 係長
講義:『行動目標1について』
新岡 丈典 (弘前大学医学部附属病院医療安全推進室 専任GRM)
目標2:周術期肺塞栓症の予防
目的と概要:肺塞栓症予防策(弾性ストッキング、間欠的空気圧迫法、抗凝固療法)を安全に実施するための、実践的なノウハウを習得する。
アドバイザー
保田 知生(近畿大学医学部安全管理部 講師)
瀬尾 憲正(自治医科大学麻酔科学 教授)
病院の事例紹介
福井 康三 (弘前大学医学部付属病院心臓血管外科)
講義
「弾性ストッキングの安全な着用法」
「IPCの安全な装着法」
「抗凝固療法の安全な実施方法」
「ケーススタディ:こんな患者にはどんな予防策を行うか?」
講師:瀬尾 憲正、保田 知生 ほか
目標3a:危険手技の安全な実施-経鼻栄養チューブ
目的:安全な経鼻栄養チューブの挿入位置の確認を目指して ―人・ 物・ 技術―について考えてみましょう!!
国内の経鼻チューブ、そして知識・技術・確認物品、教材を集め、より安全性の高い経鼻栄養チューブの挿入方法の確立と栄養剤注入直前の管理を考えます。
今回はチューブ確認の手順と管理についてDVDを作成しました。
参加者からのご意見も参考に、更に完成度の高いDVDとなるように活発な討論をお願いします。その後、DVDの完成品は参加登録病院に配布予定です。
概要:「安全な経鼻栄養チューブの挿入」を実践していくために必要な知識と技術を、講義と実習で理解していただきます。
-前半の講義は、摂食・嚥下障害認定看護師より、講義とDVDにより、喉頭周辺の解剖生理のおさらい、嚥下のしくみと呼吸の関係(なぜチューブ挿入が危険な手技なのかを理解する)、安全な経管栄養チューブ挿入方法と確認方法等をご紹介します。
-また、後半は演習及び物品の展示の中で、①チューブ挿入後のレントゲン写真の確認のポイント②pH試験紙の使用法、③経管栄養チューブ挿入のシミュレーション(デモ機使用予定)④経管栄養チューブの種類と特徴(各企業の出展予定)の4つをそれぞれ各自で体験できます。
アドバイザー
【司会】山元 恵子(春日部市立病院 副院長・看護部長(認定看護管理者))
【推奨対策】坂口 美佐(滋賀医科大学医学部付属病院 医療安全管理部)
【講師】寺見 雅子(新横浜リハビリテーション病院 摂食・嚥下障害看護認定看護師)
関良充(東京北社会保険病院 放射線技師長)
杉本こずえ (新葛飾病院 セフティマネジャー)
目標3b:危険手技の安全な実施-中心静脈穿刺
目的:参加施設の取り組み事例を供覧し、具体的な取り組みのヒントを得る。
概要:二つの病院から本キャンペーン参加による取組と成果を紹介していただき、その後、他の参加者も含めてCVCの安全な実施に関する問題点と解決方法につきディスカッションをしたいと思います。
アドバイザー
渡部 修(佐久総合病院救命救急センター 医長)
宮田 剛(東北大学先進外科 講師)
殿塚 規雄(東北大学先進外科 医師)
病院の事例発表
「”病院力”でより安全なCVC挿入を目指す」
小林 義典先生(組合立諏訪中央病院医局診療部 外科部長)
「質の高いCVC実践への取り組み」
長谷川 隆一先生(公立陶生病院救急部 部長)
病院の発表を聞いた後、CVC安全な実施を普及させていくための問題点について参加者間でディスカッションを行います。
目標4:医療関連感染症の防止
目的:医療関連感染予防の徹底について実践から学ぶ(新型インフルエンザを含む)
プログラム
司会 満田 年宏(横浜市立大学附属病院感染制御部部長、準教授)
櫻井 滋 (岩手医科大学附属病院医療安全部感染対策室長)
【セッションI. 医療関連感染防止のための活動事例の発表】
15:10-15:25 医療生協さいたま 埼玉協同病院 (発表10分 質疑5分)
15:25-15:40 社会保険滋賀病院 (発表10分 質疑5分) (15:40-15:50 休憩)
【セッションII. 新型インフルエンザ対策への取り組み】
15:50-16:10 岩手県における新型インフルエンザ対策(仮題)
櫻井 滋 (岩手医科大学附属病院医療安全部感染対策室長)
16:10-16:30 自治医科大学附属病院におけるインフルエンザ対策
外島 正樹 (自治医科大学臨床感染症センター感染制御部 副部長)
16:30-17:00 パネルディスカッション
目標5:医療機器の安全操作と管理
目的:行動目標5の課題達成にむけ、対象機器の安全設計等の特性を理解し参加施設の先進的な取組みに学ぶことで、さらに一歩踏み込むための方策を提案する。 加えて医療法改正により病院に配置された医療機器安全管理責任者(法第6条10及び規則第1条11第2項第3号イ)の位置づけとその役割に焦点を当て、医療機器全般の安全な操作と管理についての方向性を見出したい。
概要:前半は、セミナー形式で医療機器の使用者である病院における行動目標5の課題達成へ向けた先進的な取り組みと医療機器安全管理責任者の役割及び医療機器とヒューマンエラーに関する講義に引き続き、対象機器メーカから安全設計に関する説明と使用法についてのアドバイスをいただきます。 後半は、課題に取り組んでいる参加施設の事例発表をいただきます。 その後、各発表者、コメンテータ、受講者を交え、行動目標達成への方策と医療機器全般の安全管理についてディスカッションを行います。
プログラム
■13:00~14:40
<使用者サイドから医療機器の安全を考える>
1)輸液ポンプの看護師教育と手順書作成及び実践評価
演者:稲吉 礼子(武蔵野赤十字病院)
2)輸液ポンプの教育と保守管理への取り組み
演者:室橋 高男(札幌厚生病院)
3)人工呼吸器の安全使用の取り組み(事故事例から)
演者:小林 剛志(平塚共済病院)
4)医療機器安全管理責任者としての役割を考える
演者:本間 久統(庄内余目病院)
5)医療機器安全管理責任者の役割を考える
演者:齊藤 裕(武蔵野赤十字病院)
■14:55~15:45
<メーカーサイドから医療機器の安全を考える>
1)医療機器とヒューマンエラー
演者:田中 健次(電気通信大学大学院)
2)医療機器の安全使用を踏まえた設計について
西田 雄(テルモ株式会社)
3)医療機器の安全使用を踏まえた設計について
濱野 朋之(株式会社ジェイ・エム・エス)
4)医療機器の安全使用を踏まえた設計について(人工呼吸器1)
5)医療機器の安全使用を踏まえた設計について(人工呼吸器2)
■15:55~16:35 登録施設事例発表(5施設の予定)
■総合討論
行動目標5の課題達成にむけて、先進的な取組みに学び、各病院がさらに一歩踏み込んでいく取組みを提案し、加えて医療法改正によって設定された医療機器安全管理責任者の立場・役割についてクローズアップしたいと考えています。
【コメンテーター】 田中健次、本間崇
【座長】 杉山良子、佐藤景二
アドバイザー
田中 健次 電気通信大学大学院 情報システム学研究科教授
本間 崇 医療法人社団善仁会本部 医療安全推進部 部長
(社)日本臨床工学技士会常務理事
杉山 良子 武蔵野赤十字病院 医療安全推進室 看護師長
佐藤 景二 静岡市立静岡病院 臨床工学科 科長
(社)日本臨床工学技士会常務理事
稲吉 礼子 武蔵野赤十字病院 CCU病棟看護係長
室橋 高男 札幌厚生病院 臨床工学科
(社)北海道臨床工学技士会会長
小林 剛志 平塚共済病院 臨床工学科
(社)神奈川県臨床工学技士会副会長
本間 久統 庄内余目病院 臨床工学科
(社)山形県臨床工学技士会副会長
齊藤 裕 武蔵野赤十字病院 麻酔科部長(医療機器安全管理責任者)
西田 雄 テルモ株式会社 ホスピタルカンパニー デバイスグループMEプライド主任
濱野 朋之 株式会社ジェイ・エム・エス 第一営業部 輸液輸血システム課係長
目標6:急変時の迅速対応
目的:有害事象(合併症や事故)が発生した時の適切な緊急対応と、これを可能にする体制と備えのあり方について、実際の取り組み事例から学び、経験を交流する。
概要:
1.推奨対策について
坂本 哲也 (帝京大学医学部救命救急センター教授)
2.緊急処置と緊急対応体制
・歯科領域の緊急対応
入野田 昌史・郷家 久道(宮城県歯科医師会地区事業推進協議会)
・事故事例に学ぶ院内緊急対応体制
高橋 英夫(名古屋大学大学院医学系研究科救急集中治療医学准教授)
3.院内救急蘇生
・CPR時の緊急連絡体制
江原 一雅 (神戸大学医学部附属病院医療安全管理室総括リスクマネジャー)
・ウツタイン方式による院内CPRの記録と評価
野々木 宏(国立循環器病センター心臓血管内科部長)
4.早期発見と早期対応(RRS) 13:50-14:20
・METの実践モデル
中 敏夫(和歌山県立医科大学救急集中治療部・救命救急センター次長)
・RRTの実践モデル
池上 敬一(獨協医科大学越谷病院救急医療科教授・救命救急センター長)
浅香 えみ子(獨協医科大学越谷病院看護部副部長)
市川 高夫(新潟県立六日町病院麻酔科)
川上 正人(青梅市立総合病院副院長)
5. 課題と対策(討議)
藤谷 茂樹 (聖マリアンナ医科大学病院 救命救急セン ター副センター長)
児玉 貴光 (聖マリアンナ医科大学病院 救命救急セン ター主任医長)
6.まとめ 坂本 哲也
<進行案>
1.推奨対策について 13:00-13:05 坂本
2.緊急処置と緊急対応体制 13:05-13:30
・歯科領域の緊急対応(10) 入野田・郷家(宮城県歯科医師会)
・事故事例に学ぶ院内緊急対応体制(15) 高橋(英)
3.院内救急蘇生 13:30-13:50
・CPR時の緊急連絡体制 (10) 江原
・ウツタイン方式による院内CPRの記録と評価 (10) 野々木
4.早期発見と早期対応(RRS) 13:50-14:20
・METの実践モデル (10) 中 ・RRTの実践モデル (20) 池上・浅香、市川、川上
5. 課題と対策(討議) 14:20-14:45 藤谷・児玉
6 まとめ 坂本
目標7:事例分析から改善へ
目的:(事例要因分析に関する講義と演習)
これまでヒューマンエラー事象分析手法にはいろいろなものが提案されているが、重要なことは「事故の構造」を理解することである。特に、背後要因の持つ因果の構造を明らかにすることが重要である。因果の構造が分かれば事象の連鎖を切ることにより、当該ヒューマンエラー事象の発生確率を低くすることができる。
本講義では背後要因の中における人間行動を理解するために、最終的にヒューマンエラーとなってしまった行動はなぜ引き起こされたのかを「心理的空間に基づく最も合理的な行動の選択」という観点から説明する。 また、背後要因を探るための考え方も補足して説明する。これらを具体的な事例に基づく実習を通じて理解してもらう。
概要:背後要因の推定は事例分析の中でも最も重要である。 機械の場合には物理的因果関係が比較的分かりやすいが、人間の行動は複雑で、分析が難しい。そこで、本講義は人間の判断や意思決定プロセスに焦点をあてて説明する。 理論だけでは役に立たない。そこで、グループワークによる実習では可能な限り具体的で分かりやすい事例を用いる予定である。 実習によって理解が深まり、これからの分析に役に立つような講義になるよう努力する。
講師・アドバイザー
河野 龍太郎 (自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンター長・医療安全学教授)
種田 憲一郎 (国立保健医療科学院政策科学部 安全科学室長)
目標8:患者・市民の医療参加
目的:本目標を達成するための取り組みについて、すでに一定の成果をあげている病院から、具体的な方法や工夫点、成果を「見える化」する方法、継続のための方略などを報告していただくとともに、取り組み途上の病院からの疑問や質問に応えることによって、成果の共有をはかり取り組みの強化に役立てる。さらに今後の展開について手がかりを得る。
概要:
1. 「安全は名前から」・・・・病院からの報告と質疑応答
2. 「からだと病気を知るために」・・・・病院からの報告と質疑応答
3. 「転ばぬ先に」・・・・病院からの報告と質疑応答
4. それ以外の取り組み・・・・・病院からの報告と質疑応答
5. 全体討議・・・全国の医療機関で「患者・市民の医療参加」を進め、 定着を図るために、今後どのような展開が必要か意見交換を行なう。
アドバイザー
山内 桂子 (医療安全の心理学研究会 幹事)
飯島 久子 (慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科修士課程(薬剤師))
高橋 知子 ((株)東京海上日動メディカルサービス メディカルリスクマネジメント室主任研究員)
村上 紀美子(医学ジャーナリスト協会会員)
山口 直比古(東邦大学医学メディアセンター 司書次長)
渡邊 和子 (栗原市立栗原中央病院 総看護師長)